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サイト通信3月号

                 蕎麦

  昨年の暮れ、蕎麦を食する為に島田市まで足を延ばしてみた。

  この店の特徴は、江戸三大蕎麦の一つ「藪そば」が食べられると人伝えに聞いたからだ。

  江戸三大蕎麦とは、藪そば・砂場そば・更科そばを言う。

  ちなみに、日本三大蕎麦とは、戸隠そば・出雲そば・わんこそばである。

  店は、和の趣を醸し立ち、暖簾をくぐるとお香の匂いがほのかに香り、一気に「わび・さび」

  の世界へと引きずりこまれる。ふと我に返ると、老婆が突然現れ席に案内してくれる。

  席はこじんまりと座敷に三卓のみ・・・・

  お品書きを見て、天麩羅そばと鴨南そばを注文。注文を取りに来た老婆が、この店は池の端 

  藪蕎麦で修業して開いた店ということ、店の生い立ち、藪そばの薀蓄をいろいろ話してくれた。

  しばらく待っていると出てきた蕎麦を見てビックリ!蕎麦の上に海老のかき揚げが一つ、これが

  藪そばの天麩羅そばとの事、麺の色は、うす緑色でどことなく上品で美味しそうな気がしてくる。

  出汁の味も良く、これが本当の蕎麦なのかなと思った一時であった。

  少しの贅沢な蕎麦、少しの贅沢な時間に感謝!!

                           佐野 芳樹