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サイト通信2月号

◆2020年1月発行の新聞のオピニオン&フォーラム欄で『はみだす力』と題して、アーテイスト スプツニ子(尾崎マリサ優美)のインタービューが掲載されていた。「女性の生き方縛る男性優位の社会 アードで問いたい」「議論し考えること苦手な日本の学生 外の世界に触れて」の割見出し?が目に入り、割愛しますが紹介致します。◆

Q:問題提起型とも言える、あいちトリエンナーレの「表現の不自由展」は一時中止されたのは、

   日本に「アート」が根づいていないからでしょうか。

A:「アートって、単にきれいなものと思っている人もまだ多いですよね。私が考えるアートとは、人に様々な感情を生み出して、価値観を揺さぶるもの。作品を読みとり考え、皮肉や問題提起も含めて理解することに慣れていない人は多いと思います。日本の学校教育を受けると、言われたことをやるのは得意になりますが、『どうなの』とツッコミをいれたり、自分の意見を組み立てたりするのが苦手になると感じます。」

Q:なぜそう感じるのですか。

A:「日本と海外の学生を比べると、明らかに『知性』に差が出始めています。私の定義する知性とは、自分の考えを構築し、なぜそういう意見なのかを説明する、自分の意見が異なる人と議論する、ということなんですが、それが日本の学生は弱いなあと」

Q:どうしてでしょうか。

A:「一つには環境があると思います。特に欧州には移民が多く、色々な人種、文化、価値観の人がおり互いに意見が違うことは当然で、議論しながらいかに共存するかを考える訓練を積んでいます。その習慣がないと、社会の答えに合わせるのが当たり前に、抽象的なこと考えたり、話したりする力が落ちてしまいます。」

「学校教育の影響も大きいと思います。私は公立の小学校に入学しましたが、『前ならえ』とか軍隊みたいだし、自分の意見や自己主張を徹底的につぶされた記憶があり、多数決で決めるのも変で、ちゃんと議論したらいいのにと。自分の頭で考えてはいけないという教育を受け、本当に苦しかったしこれで育つ人材は高度経済成長期にはぴったりだけど、もうだめ。AIに任せればいいような仕事しかできなくなってしまいます。」

Q:どうすれば変わりますか。

A:「外の世界に触れる機会が増えるほど強くなれると思います。今いる環境がすべてじゃないとわかるから。いろんな生き方があると知ることは強さにつながります。」

Q:内向き志向が強まっていると言われます。

A:「日本語の壁が日本をガラパゴス化させていますが、グーグル翻訳に期待しています。あと5年で精度が上がれば、言葉の壁がなくなると思います。日本語でしゃべっても世界とコミュニケーションできるようになったら、何が起きるかなあ。外に意識が向かないと、日本はどんどん排他的な社会になっていくと思います。」

Q:日本からはみ出す人が増えれば、「はみ出す」と言われなくなりますね。

A:「既存の小さな世界からはみ出してみたら自分も成長できるし、社会の規範を更新できる人になれると思います。私は基本的にすべての規範は変えるためにあると思って納得するまで考えます。『私はもっといろんなことができるんじゃないか』って思っている人は、ぜひはみ出してみてください。」(聞き手・諏訪和仁)

 

◆考えるヒントをくれた記事であり、とても興味深かったです。    小池英雄